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2023.11.19 「使える仕事のはなし」1 Point Learning

“部下のやる気を奪う上司”にならないために

部下のやる気を奪う上司、思い当たりませんか?

今回は、あなたがそうならないように、幾つかポイントをお伝えします。

変化を嫌う人は多い

 

方法の良し悪しを考えず、漠然と仕事を進めていたり、本人も「おかしいな…」と感じているはずなのに不効率を改善せず放置している等、明らかな怠慢や落ち度がある部下に対して注意・指摘をして、別の方法を指示した際に、拗ねられたり腹を立てたりされた経験のある上司は、多いのではないでしょうか。

 

  • これまでの方法を改めさせる
  • 今までやっていなかったタスクや手順を、ほんの少し追加する

 

それがどんなに明確な理由や、正当性のあることでも、変化や追加に対して拒否反応を示す部下は、一定数存在します。

 

人は、同じ方法やペースで数カ月仕事をするだけで、慣れてしまいます。そして、慣れた方法やペースに“変化”を求められると、拒否反応を示しがちです。これは、部下を動かす上司としては、放置できない問題です。。

「変化を求められる=否定された」と捉える人が多い

 

大なり小なり人は、自分自身と、自分の仕事にプライドを持っています。

 

そのため、今の仕事のやり方を「今日からコレに替えて!」「変更!」「追加!」と、メールやSNSで突然伝えられると、“否定された”と感じて、腹を立てたり、ムスっとしたり、拒否や否定の気持ちを持ってしまいます。

 

たとえ改善を目的とした、前向きな変更や追加の伝達であっても「自分を否定されたと感じる部下は、一定数存在する」そう理解しておくとよいでしょう。

上司は、部下に変化や指示を求める際、より慎重になりましょう。

変更・追加の理想的な伝え方とは?

 

部下に変更や追加の指示を出す際の、理想的なプロセスは以下の通りです。

 

  1. 変更・追加の「狙い」を明確に話す
  2. 「狙い通りに事を進めるために必要なこと」を分かりやすく話す
  3. 「今は〇〇のように取り組んでもらっていますね…」と、部下の現状の仕事を理解していることを具体的に伝える
  4. 「今の仕事をどのように変更して欲しい」または「追加で〇〇をして欲しい」と分かりやすく伝える
    ※変化や追加を過少に伝えたり、抽象的に伝えることは避けましょう
  5. 「1.狙い」と「2.必要な取り組み」を再度端的に話し、理解を求め、協力もしくは指示に従って動いて欲しい旨を伝える
  6. 部下から質問があれば丁寧に回答し、拒否や否定の反応があった場合は、遮らずに一度最後まで話を聴いて受け止め、そのうえで「1.狙い」と「2.必要な取り組み」を再度伝え、取り組んで欲しいと説得する

 

部下に変更や追加を求める場合は、上記のプロセスがおすすめです。

面倒に感じるかもしれませんが、正しいプロセスで建設的に伝えることが大切です。

 

正しいプロセスで伝えても、部下は納得しないかもしれません。しかし、事情を理解してはくれるでしょう。納得を得られなくても、理解を得ようと努めることは、上司としての責任です。

 

 

部下にも、心とプライドがあります。上司のあなたと同じです。適切な配慮をしつつ、

  • 伝えるべきことはハッキリ伝える
  • 納得を得られなくても、理解は得られるように努める(正しいプロセス)

これを真摯に進めることで、部下は上司や会社に対して信頼するようになります。

 

中には納得どころか理解すらしてくれない部下がいたり、日頃は理解ある部下が、時として強烈に反発することもあるでしょう。しかし、そんな時も、正しいプロセスで理解を得ようと努めることが大切です。

部下のやる気を奪ってしまう上司の行動

 

部下に変更や追加を求める際、

 

  • 「〇〇について、〇〇することになったから、今日からこうして」と、突然の電話やメールで結論だけを雑に伝える
  • 顔を合わせているものの、「上からの方針だから頼むね」と上からの指示を下に流すだけ
  • 上司自身が、変更や追加の狙い・目的を理解していない
  • 準備不足で、分かりやすく伝えることができない

 

このような伝え方をすると、部下は上司であるあなたに失望し、やる気を無くしてしまいます。他にも、

 

  • 「社長が言っているんだから仕方ないよ、やってね」
  • 「つべこべ言わずに、やりゃいいんだよ」
  • 「適当にやってさ、多少結果が出れば文句は言われないからさ、うまくやってよ」

 

このような伝え方や発言も、上司として最悪です。

部下のやる気を奪うどころか、部下は「何でこんな奴が上司なんだ…」と、上司を信頼しなくなります。部下は、上司に対してだけではなく、このような人物を上司に据える組織の方針にも不信を抱きます。

 

経営者と現場社員の間に、このような不適格な上司が挟まることで、組織に歪みが生まれます。「適任者がいないから」と不適格な人物に上司のポジションを与えると、企業や組織はトラブルを抱えることになります。

 

部下に変更や追加を求める時は、少し時間をかけ、正しいプロセスで建設的に伝える。

あなたが部下を持つ上司であれば、実践してみてください。部下はきっと、上司であるあなたを「自分を尊重して、大切にしてくれる上司である」と感じ、あなたを信頼するようになるでしょう。

 

 

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