部下の教育には、“抑えるべきポイント”と“やってはいけないNG行為”が多くあります。本記事は、その中から『部下の前での上司のNG行為』を3つ紹介します。思い当たると感じた方は、素早く改善すると良いかもしれません。
1.仕事以外の趣味・趣向を部下に話し過ぎる
良くも悪くも上司は部下からよく見られ、少なからず部下に影響を与えます。“良い部分”だけでなく、“どうでもいい部分” 、場合によっては、“悪い部分”ほど部下に真似をされる存在です。少しのルール違反や気の緩みなどは、特に真似をされてしまいます。
仕事以外の趣味・趣向について多く語り過ぎると、仕事ではなく、その趣味・趣向に関する雑談を利用して、上司に取り入ろうとする部下も出てきます。今も昔も変わらず、『戦国武将が茶の湯にのめり込むあまり、茶坊主に取り入られた』という話と同じです。
仕事の出来が悪く、努力もしないが、上司の趣味・趣向に合わせた共通の話題を作りながら、上司に近づく者は少なくありません。上司が聡明で、即シャットアウトできれば問題ありませんが、多くの場合、その上司と部下が趣味友達の関係になったことで、“評価や対応に不公平が出る”ことも十分あるため、注意が必要です。職場内、特に仕事時間中は、『ここはパブリックな空間である』と理解し、趣味・趣向の話をし過ぎることは控えた方が良いでしょう。
2.仕事を任せた部下が失敗した時の対応
上司が部下に仕事を任せ、その部下が失敗した時、多くの上司は部下に腹を立てます。上司が丁寧に指示を出し、入念な進捗管理をしたにも関わらず部下が失敗したとしても、もしくは、いい加減に仕事を丸投げした結果、部下が失敗したとしても、失敗をした部下に責任があります。しかし何より、その部下に仕事を任せた上司自身にも責任があることを忘れてはいけません。
成功の見込みを感じ、“その部下に仕事を任せたこと自体”があなたの見込み違いだったのか、指示やフォロー、日常の教育が不十分だったかどうかは別として、任せた上司に責任があることは間違いありません。
この事実を棚に上げ、部下に腹を立てる上司は意外と多くいますが、“上司の上司”からは、『実際に仕事を失敗した部下より、仕事を任せた上司の責任の方が重いと判断される』ことを理解しておきましょう。これが理解できれば、部下が失敗した後のフォローや、会社や組織への報告・アフターフォローをする際、ただの責任転嫁ではなく、より良い内容になるはずです。
3.奢るお金がない時に飲みに誘う
※賛否両論あるかもしれませんが、一つの考え方だと思い、ご覧ください。
部下が、上司の誘いで飲みに行くと、『双方が楽しく過ごす』もしくは『部下が仕方なく付き合う』のいずれかになります。上司に誘われたため、乗り気でないにも関わらず、付き合いで飲みに行くことになった際、お勘定が割り勘であったり、「1,000円だけ出して…」と上司が口にすると、この部下はどのような気持ちになるか想像してみてください。「勉強になる話が聴けて、有意義な時間だった!」と部下が感じていたとしても、最後に割り勘や「1,000円だけ出して」と上司に言われたら、部下はどう思うでしょう?
会社や組織として、パブリックな食事会や慰労のため、打ち合わせに飲食を伴わせる場合は、経費として処理すれば良いはずです。そうではなく、私的な飲み会の場に上司が部下を誘う時は、割り勘や「1,000円だけ出して」をやってしまうと、“その上司の印象は高い確率で悪くなる”と考えた方が良いでしょう。
上司と部下は、同じ場所で長い時間を過ごすため、何かと接点が多くあります。上司は、本人の自覚がなくても、部下からよく観察されています。部下は自分に向けられた上司の言葉と同じ程度、もしくはそれ以上に、上司の日常的な行動や発言に影響を受けます。部下を育成し、チーム全体の成果を大きく上げたいのなら、“部下からの見られ方”や“部下にどのような印象を持たれるか?”は、注視すべき重要事項です。
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