会社や組織で「改革を起こしたい」「改善を図りたい」と考えたことはありませんか?私は、コンサルタントという仕事柄、そのように話す方とよくお会いします。しかし、そのほとんどが
- 上手くいかない
- 改革や改善どころか余計におかしくなる
- いつの間にか計画が頓挫する
このような状況です。
今回は、何故会社や組織の改革・改善は難しいのか?について説明します。
1.頭で思い描いた計画は、実際に着手すると意外と大変
『頭で思い描いた計画は、実際に着手すると意外と大変』と聞いて、「何それ?当たり前のことを…」と思うかもしれませんが、実際にこのような理由で、立てられた計画は簡単に頓挫してしまいます。
“頭の中で10キロ走る”と“実際に10キロ走る”では、しんどさが全く違います。“頭の中で早起きする”と“実際に冬の寒い朝に早起きする”では、全く違います。これらと同じように、会社や組織の改革・改善プランを、いざ行動に移すと意外と大変なのです。誰かに説明する、説明して理解させる、理解させた後に協力させる、YESと言わせる…このような、人とのコミュニケーションだけでも相当大変です。この作業が面倒になり、計画が止まってしまい、改革や改善を辞めてしまうケースが非常に多くあります。
2.反対派・否定派とのコミュニケーション
多くの人は変化を好みません。毎日が上手くいっているかどうかに関わらず、日常に変化が生じることを好みません。自分自身で自分の行動を変化させるだけでも一苦労です。それが会社や組織の改革となると、自分以外の誰か、つまり他人からの発信で、これまでの自分の習慣となっている行動を変えなければなりません。
自分以外の他人の意思によって、慣れ親しんだ日常を変えることを「不愉快だ」と感じる人もいるでしょう。これまでの日常が壊され、安泰な毎日が脅かされることを嫌う人は多く存在します。
改革や改善を行おうとすると、必ず反対派・否定派が表にも裏にも出てきます。そのような相手に対しても冷静に、コツコツ積み重ねて説明し、理解・協力を取り付けていくことが必要です。まだ組織の改革や大規模な改善プランを成功させた経験のない方にとって、この大変さは、並大抵のことではありません。
3.説明と質問の受付が不十分である
改革や改善を標榜し実行するためには、組織に属する多くの人の理解と協力を得なければ、事は前に進みません。当然、反対派・否定派との話し合いも必要です。しかし、人間は非常に面倒臭がりな生き物です。特に、人間関係の摩擦を避けたがる性質を持っています。
そのため、「丁寧で粘り強い説明が必要」と分かっていながらも、つい疎かにしてしまいます。
- 何故この改革・改善が必要なのか?
- この改革・改善をしなければ、組織や会社はどうなってしまうのか?
- この改革・改善が成功すると、組織や会社はどのように良くなるのか?
- そのために、誰が何をどれだけすればよいのか?
- その具体的な実行方法は何か?
これらを熱意を込めて、丁寧に説明し、疑問・不安・心配からくる質問にも丁寧に答えなければなりません。この最も大切なプロセスを飛ばしてしまいがちです。そのため、会社や組織のメンバーが、改革・改善の前に、「何故かよく分からないが、突然〇〇しろと言われて嫌だ」「困っている」「迷惑だ」「そんなことはしたくない」、場合によっては「そんなことをすると会社がおかしくなる!」「組織が変になってしまう!」 と騒ぎ出すかもしれません。
「現状を変えたくない」「変化したくない」「新しい取り組みなんて嫌だ!」このような反発が、見えるところ・見えないところ、至る所から湧き出てくるのです。
これら単純な理由によって、多くの会社や組織では、必要な改革や改善が上手くいっていません。私はコンサルタントとして、組織の改革や改善に助力することが度々ありますが、ここで紹介した“3つのよくある障壁”に邪魔され、改革や改善の助力を求めてきたクライアント自身の心が折れてしまいそうになる…そのようなシーンを何度も目にしました。
そのような時、私たちは、心の折れそうなクライアントを何度も立ち上がらせ、激励し、共に戦います。しかし、多くの会社や組織には、私たちのようなコンサルタントはいません。自力でなんとかしなければなりません。
改革・改善、これは非常に難しく、面倒で手間も相当かかります。しかし困難に負けず、後回しにせず着手し、苦労に負けずやり遂げれば、多くの場合、素晴らしい成果が待っています。また、改革や改善を成し遂げた人は、多くの学びと自信を得て、ビジネスの世界における多くの経験値を得ることになります。
もしあなたが今後、「会社や組織で改革・改善を実行したい」とお考えでしたら、“改革・改善が頓挫してしまう理由3選”をぜひ参考にしてください。
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