部下が言うことを聞かない、態度が悪い、仕事をしない…
残念ながら、よくあることです。
ビジネス本やYouTubeでも、色々と対策が説明されていますが、「なかなか即効性ある解決策が見つからない」というのが現実だと思います。
私たちも、人材育成やマネジメントの支援事業を行っていますが、正直、この問題の即効性ある解決策は「恐らくないんじゃないか」という結論に、今のところは至っています。
即効性は難しいにしても、コツコツ進めることで、割と早く効果が出る方法がありますので、今回は、それをお伝えしていきます。
1.実情を知る
第一のSTEPは「実情を知る」ことです。
言うことを聞かない、態度が悪い、仕事をしない部下の“実情”を詳しく知ることは、非常に重要です。
ですが、言うことを聞かない、態度が悪い、仕事をしない部下の実情を細かく把握せずに、
- 「あいつは言うことを聞かない」
- 「態度が悪い」
- 「仕事をしない」
と、腹を立てている上司は、意外と多いんです。
ココでのポイントは、
- 何故 言うことを聞かないのか?
- 何故 態度が悪いのか?
- 何故 仕事をしないのか?
といった何故「WHY」の前に、「NOW」今どうなっているのか?に着目することです。
何で言うことを聞かないんだろう…何で態度が悪いんだろう…何で仕事をしないんだろう…これは、上司であろうが経営者であろうが、他人がいくら考えても結局想像でしかありません。
本人にしか分からないんです。
場合によっては、本人すら分かっていない場合があります。
正しい解決のポイントは、勝手に「何故」を想像して、それを結論とすることではなく、「今、どんな状態なのか?」WHYではなくNOW、「今」を知ることです。
【言うことを聞かない部下】なら…
- 「具体的に、いつ、どの指示を出した時に、どのように言うことを聞かなかったのか?」
既に過去となった、“事実”を新しい順に少なくとも3つは、ピックアップしてください。
【態度が悪い部下】なら…
- 「具体的に、いつ、どのように態度が悪かったのか?」
既に過去となった、態度が悪かった事実・具体的事例を、これも新しい順に少なくとも3つ、ピックアップしてください。
【仕事をしない部下】についても…
「どのように仕事をしなかったのか?」を「いつも」とか「だいたい」ではなく、
- 「その人物が、いつ、どのように仕事をしていなかったのか?」
その日付と、具体的にどのように仕事をしていなかったのか?事実を3つ以上、ピックアップしてください。
このピックアップは、頭に思い浮かべるだけではなく、スマホでもパソコンでも、もちろん手書きでも構わないので、明確な文字にしてピックアップしてください。そうすることで、冷静な事実把握が可能になります。
ここでピックアップされたものが、言うことを聞かないとか、態度が悪いとか、仕事をしない部下の“実情”です。
この段階で、いつも態度が悪いと感じていた部下が、
- よくよく考えてみると態度が悪かったのは、〇〇の△△の時か…
- 言うことを聞かないと思っていたけど、実際に言うことを聞かなかったのは、〇〇の◇◇の時か…
などと、「印象と事実の分別」ができます。
上司や先輩であるあなたが、部下や後輩に抱いている印象と事実を分別することは、とても重要です。
人事や人材育成、組織マネジメントの基礎と言っても過言ではありません。
2.具体的リクエストを書き出す
言うことを聞かない、態度が悪い、仕事をしない…そういう部下の「印象と事実の分別」ができたら、次にすべきことは、ピックアップした事実の部分「いつ、どの指示を出した時に、どのように言うことを聞かなかったのか?」について、
- 「今後同じような指示を出した時に、〇〇するのではなく、本当は、△△してください」
- 「あの時、態度が悪いと感じた時は、本来なら△△して欲しかった、今度から〇〇してください」
このように、部下が事実として「至らなかった」ことに対して、「今度から具体的にこうして欲しいんだ」という、上司からのリクエストを、抽象的ではなく、具体的に書き出してみてください。
そして、それをその部下・当事者に、「今度〇〇なことがあったら、具体的に△△にして欲しいんだ」と、ぼやかさずに、ハッキリとリクエストを出すようにしてください。
前に至らなかった点を指摘し、修正することも大切ですが、しばらく時が経ってしまっていて、現行犯でない場合は、一旦脇に置いておいて、まず、「〇〇な時は…」と具体的に想定されるケースを紹介して、その次に「今後そういうケースがあった場合は、具体的に△△して欲しいんだ」と、とにかく具体的なリクエストを出すようにしてください。
この方法では、部下がしてしまった、過去の至らなかった部分に対する、上司側の気持ちのイライラや腹立たしさは、治まらないかもしれません。
しかし大切なのは、これからに向けての改善です。
そこは、なんとか気持ちを収めて、これからに向けて、将来に向けて、部下に対するケース毎の具体的アドバイスを、明確かつ具体的に伝える、これに徹してみてください。
3.記憶ではなく記録する
更にポイントを伝えると、この時、「何月何日の何時に、どのようなシチュエーションで、どのように伝えたか?」記憶ではなく、しっかり記録しておいてください。
そうすれば、再発した場合、その記録メモを元に、「いついつ伝えたように、このような場合は、こうして欲しいんだ」と、繰り返し伝えればいいんです。
シチュエーション毎に、正解とされる行動を具体的に伝える
正直、一回伝えたくらいでは、態度が悪い部下も、言うことを聞かない部下も、仕事をしない部下も改善されません。
何といってもあなたが、そんな印象を持ってしまうくらい、その部下は、同じことを繰り返しているんです。手強いし、しつこいし、ナカナカ治らないんです。
だからこそ、修正できると価値が生じます。
上司の側も、根負けせず、繰り返し繰り返し、再発するたびに繰り返し、「シチュエーション毎に、正解とされる行動を具体的に伝える」これをしてください。
繰り返すうちに、少しずつ、少しずつ部下の行動パターンが改善されてくるはずです。
- 態度が悪い部下
- 言うことを聞かない部下
- 仕事をしない部下
この3つに対する即効性ある改善策は、今のところありません。
ですが、根比べのようになりますが、今お伝えした方法であれば、ジワジワ改善の効果がでてくるはずです。
至らない部下の修正というのは、重要な人事案件でもあります。だからこそ、手間と時間がかかっても仕方がないのかもしれません。
態度が悪い部下、言うことを聞かない部下、仕事をしない部下にお悩みであれば、ぜひ一度、お試しください。
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