今回は、営業で成果を上げたいと考える企業や、入学者を増やしたい学校法人の方から多くお問い合わせ、ご相談いただく『営業で成果を上げるために、営業チームを強化するために 具体的に何をすればいいのか?』について説明します。
実際のプランでは、より詳細に営業促進、営業チームの強化に繋がる具体的施策を細かく、いくつも打ちますが、今回は端的に、どのように営業チームを強化し、営業成果を確実にUPさせるのか、その概要をお伝えします。
営業結果の責任者を明確にする
まず、営業結果の責任を負う人を明確にしてください。営業部長でも営業課長でも構いません。当然最終責任は“経営者”になりますが、現場で数値を上げる営業部門の責任者や、営業部門の執行役員の方を明確に設定します。社内で「〇〇が営業部門の責任者である」=「営業部門の結果責任を負うのは〇〇だ」と、最初に明確にすることが必要です。
結果を出したいなら、「皆の責任だ」「環境のせいだ」など中途半端で曖昧なことを言わず、『営業部門の結果責任を負うのは〇〇です』と明確に設定することが絶対に必要です。そうしなければ、人は中々本気を出してくれません。
ちなみに営業部門を持つ企業の中にも、この『営業成果の最終責任を誰が負うのか』を明確に定められていない企業は意外と多くあります。しかし、それでは結果に責任を持って活動すべき営業チームが正しく機能しません。営業チームの強化、営業で成果を上げたいなら、営業部門の結果責任を負うのは誰なのかを明確に設定することからスタートしましょう。
営業結果の責任範囲を明確に設定することも必要
また、営業結果の最終責任者を設定する際は、
- 小集団の結果責任は“課長”が担う
- いくつかの小集団トータルの結果責任は“部長”が担う
など、責任範囲も明確にしておくことが必要です。全て部長一人の責任である、全て執行役員の責任であるなど、大雑把に責任範囲を設定してはいけません。組織の大きさ、営業に関わる従業員数に応じて組織立て、丁寧に責任範囲を設定することが重要です。
- 個人⇒「自身の担当範囲」の結果責任
- チームリーダー⇒チームに所属する「複数の個人」のトータル結果責任
- 課長⇒管轄する「全チーム」の結果責任
- 部長⇒管轄する「全ての課」の結果責任
- 執行役員⇒管轄する「全ての部署」の結果責任
このように組織立った責任範囲を、それぞれに明確に設定することが重要です。新しい発信や業務の吸い上げ、テコ入れなど、組織で営業成果を上げるための活動を効率的・効果的に行うための基礎になります。
営業の結果責任の範囲は設定されているものの、当人たちにその自覚が無い…という企業や組織も数多くあります。この部分を改善するだけで、営業チームは必ず良好に機能し始めます。面倒だからと投げ出してしまう企業や組織は、短期間で営業チームを強化し、大きな成果を手にすることは難しいでしょう。
目標そのものを明確に設定する
誰がどの範囲で営業結果の責任を担うのか、を明確に設定した次にすべきことは、『目標そのものを明確に設定する』ことです。まずは、会社全体・組織全体の目標値を定めてください。もちろん数値で、厳密に設定します。
次に、それを分割し
- 部署毎の目標
- 部署を構成するチーム毎の目標
- チームを構成する個人毎の目標
このように、段階的にハッキリと目標を数値で設定します。それぞれの責任者が、設定した目標をクリアするために活動する体制ができてはじめて、効率的・効果的に営業目標を追うことができます。
全員が「目標=責任」の考えを持つ
何度も「責任者」という言葉を使いましたが、会社として、組織として営業で大きな成果を上げたいなら、“役職者だけが責任を負う”という考えは間違いです。今回お伝えする方法では、一営業マンや個々人までが、“自身に定められた目標”と“それを達成する責任”を負います。よって、営業活動における責任者は、営業に関わる全員だといえます。
それぞれの目標を設定した後は、それぞれ責任を担う全員が、自身の目標を曖昧ではなくハッキリと誤解なく、『目標=責任である』と認識することが必要です。全てのつまずきの原因は、自身の責任が何か?をハッキリ認識しないメンバーが、組織内に一人でも存在することです。『目標=責任』という考えを持つことが大切です。
達成に向けて真摯に努めることが大前提
しかし、どれだけ考え、効率的かつ具体的な行動数を増やしたとしても、目標達成が難しい場合も当然あります。そこで大切なことは、自身の責任=自身の目標が何かを正しく理解し、その達成に“真摯に努めること”です。「コレが大前提である」という理解が最も正しいといえます。
結果はもちろん大切ですが、そのプロセスである『責任を果たそうと真摯に取り組むこと』も大切です。営業に関わる全ての従業員が、誤解なく、この理解を共有することが必要です。
日常的に最新の数値を把握する
次にすべきことは、営業に関わる全員が、それぞれの責任範囲で
- 目標値
- 現状値
- 目標と現状の差
- 期限までの残り日数
この4つについて、『日常的に最新状況を把握している』という状態を作ることです。これこそが、営業に関わる全員が自身の仕事に責任を持つということです。営業に関わる全員が、この把握を完璧にできているかどうかで、結果は大きく変わります。
成果の上がっていない会社の営業チームには、自身の目標と現状の差を聞かれても答えられないような営業マンがたくさんいます。それでは、会社全体・組織全体の目標を達成して成果を上げることは不可能です。しかし、そのような組織が非常に多いことも事実です。そのため、これをしっかりやるだけで、ライバルたちと大きな差を付けることができ、あなたの会社・組織が大きく飛躍します。
目標達成までの作戦・計画を確実に“実行”しているか?
ここからが最大のポイントです。先程の4項目のうち、『目標と現状の差』については
- どのようにクリアするつもりか?
- 営業に携わる全員が、それぞれ自身の責任である目標を具体的にどのようにクリアするつもりか?
- それぞれが作戦や計画を持ち、それを確実に実行しているか?
これが非常に大切です。作戦や計画を持っているだけでは意味がありません。
- 作戦や計画を確実に実行しているかか?
- 動いているか?
が大事です。
上司の立場にある者、つまり部下や管轄チーム、部署を傘下に持つ上司は、管轄する部署やチームや部下が作戦をしっかり実行しているか?常に目を光らせなければなりません。上手く実行されていなければ、テコ入れも必要ですし、状況に応じて作戦を随時変更しながら、達成まで導かなければなりません。
計画や作戦は常に立て直す必要がある
いつまでも当初の作戦や計画に拘ってはいけません。毎日一日ずつ、期限に近づきます。「期限までの残り日数を考え、この作戦を進めていると、本当に目標は達成できるか?』を常に考え、万が一「難しい」「このままでは無理だ」と思えば、即目標達成のための計画や作戦を立て直さなければなりません。期限までの残り日数で確実に目標を達成できるよう、計画や作戦を常に書き換えなければいけないのです。
更に、部下を持つ上司は、
- 部下がそれをできているか?
- 常に最適化された作戦や計画に沿って動いているか?
を随時確認しながら、業務を進めていく必要があります。計画や作戦の書き替え方、更新の仕方が分からないと悩んだ時は、上司に即相談し、一緒に期限までの達成方法を協議し、BESTな方法を考え出し、即実行しなければなりません。
また、上司側は、達成の見込みがないにもかかわらず、計画も作戦も立て直さない部下や、現実味のない計画や作戦を掲げているだけの部下を素早く発見し、随時テコ入れが必要になります。
圧倒的に費用対効果が高い手法
営業目標を達成するには、これだけのことをしなければいけません。そして、これを「大変だ」「手間がかかる」と言わず、必死で取り組むことで営業チームは強化され、営業に関わるメンバーの責任感や実行力も強化され、人材育成が進みます。目標の達成にも近付き、最終的には大きな成果が手に入ります。
狙うモノが大きければ大きいほど、取り組みは面倒になり、簡単にはいきません。一言で、「営業成績を上げたい」「営業チームの強化をしたい」とは言え、まずは、これだけのことに挑もうとする“覚悟”が必要です。
ここまでお伝えした内容を思い返してください。『人が正しく責任を担い、それを実行する』このことに新しいコストは1つも発生していません。非常に費用対効果の高い方法であることがお分かりいただけると思います。営業チームの強化、営業で成果を上げ、目標を達成したいのなら、このフローにあなたの会社や組織を当てはめ、1秒でも早く実行してください。
まずは自前でできる営業改革から
営業チームの強化や営業成果の拡大のために、
- 何か新しくサポートシステムを導入する
- 営業代行会社に外注する
- 他社とコラボする
これらを考えるのはまだ先の話です。まずは、ここでお伝えした自前でできる営業改革を行いましょう。セールス・営業で結果を出したいのなら、今回書いたことは基本中の基本です。今から本気で、徹底的に100%実践してください。これを100%実践する前に、他のことを考える必要はありません。
上位の責任者は障害に気付き、問題解決に率先して努めるべき
ここに書いたことを100%実践することは、非常に難しいです。「100%実践しよう」と行動を起こすと様々な問題や色々な事情で、実践できないことが少しずつ出てきます。
しかし、その障害を何とか解決し、実践させるのが上位の責任者である、執行役員や部長、場合によっては経営者の役目です。プランを具体的に進めようとした際に、障害・障壁となる問題の解決に、上位の責任者達が率先して努めなければなりません。
現場のスタッフは、作戦・計画を状況に合わせてとにかく実行し、その過程で生じた障害・障壁は、高い位置にいる上位の責任者が気付き、吸い上げ、解決策を具体的に立て、現場に示し、徹底させることで障害・障壁を取り除き、ゴールまで営業に関わる全ての人を走らせなければなりません。
「何でも自分で考えて解決しろ」と無責任に部下に投げていけません。マネージャーと呼ばれる上位の責任者は、現場の問題を解決し、現場が加速しながらスムーズに目標に向かうよう、サポート・支援しなければなりません。ただ踏ん反り返って、結果報告だけ受け、その結果が気に入らないから腹を立てているだけでは、存在価値はありません。
営業成果を上げたいなら、シンプルなフローを100%実践
大まかな概要をご説明しましたが、これを実行することで多くの企業や組織の営業体制は改善され、営業成果は目標に近づくでしょう。少なくとも、この方法を100%実践すれば、確実に今より大きな成果を上げることができます。
「営業成果を上げたい」「営業チームを強化したい」と望むなら、まずはこのシンプルなフローを100%実践することを目指しましょう。きっと上手く行くはずです。
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